膝・肘などの関節痛
膝
歩くと膝が痛い。
しゃがむ時に膝が痛い。
正座が出来ない。
椅子から立ち上がる時に痛い。
階段を登る、降りる時に痛い。
膝を曲げ伸ばししたら痛みがでる。
このような症状でお困りのではありませんか?
膝関節のつらい痛みや、曲げて座ること(正座)が出来なくなる現象は、関節が繰り返し動かされることで、太腿骨(太ももの骨)と下腿骨(むこうずねの骨)の間に関節軟骨というものがありますが、その軟骨がすりへって変形することにより起こってきます。
日常生活において立ったり、しゃがんだり歩いたりするだけで数万回も関節を繰り返し動かしています。そして年を重ねるほど軟骨のすり減りは多くなっていってしまうのです。
そうなると膝の関節が痛いあまり、関節を動かさないようになっていきます。そして関節周囲の筋肉や靭帯も硬くなって痛みを出すようになってくるのです。
(1) 太り過ぎて体重が増えて膝に負担がかかったもの
平地歩行時には体重の約2~3倍、階段昇降では約4倍、ランニングでは約6倍もの力が膝にかかっています。
足の筋肉が衰えると膝に痛みを感じる場合もあります。
(2) 体型(O脚とX脚)によるもの
生まれたときはだれでもO脚ですが子どもから大人になるにしたがって自然にまっすぐになっていきます。
O脚気味の方もX脚気味の方も関節の片側だけに力がかかることになり膝の関節に負担がかかります。
(3) 体型(扁平足や外反母趾)によるもの
O脚・膝のゆがみにつながりやすく膝の痛みの原因になります。
合わない靴を長い期間履いていたり、立ち仕事を続けていると足裏のアーチが消えて扁平足となり、O脚を引き起こしやすくなります。
足先のとがったハイヒールなどを履くことで、足の親指のつけ根が外側に曲がってしまうのが外反母趾です。
親指の関節が炎症を起こしてしまうため、ひどくなると歩くたびに痛みを感じます。
痛みを避けるために、外側に重心をおいて歩くようになり、O脚・膝のゆがみを引き起こしやすくなります。O脚や膝のゆがみを放っておくと「変形膝関節症」になる危険性もあります。
(4) 日常生活での長時間の立ち仕事や、ハードなスポーツで骨に負担がかかることによるもの
膝に極端な負荷がかかり半月板やじん帯を痛めることで膝に痛みが起こります。
(5) 体質的な問題や遺伝のために起きるもの
一般に軟骨が摩擦しやすい場合が多く見られ、足だけでなく、肘や腰といった他の部位についても注意が必要です。
(6) 老化によるもの
膝軟骨がすり減り、関節が変形して「変形膝関節症」がおこります。
膝の関節に炎症が起こって痛みを感じます。
ひどくなると手術が必要な場合もあります。
また、老化によって体内の血管が衰えると、体中の筋肉や内臓器官に十分な血液が行き渡らなくなってしまい、体中の関節・軟骨にトラブルが起こりやすくなります。
肘関節
物を持つと肘の周辺が痛い。
肘を曲げたり伸ばしたりしたら痛い。
手を付くと痛みがでる。
テニスをする時に痛い。
ボールを投げると痛い。
ゴルフのスイングをしたら痛い。
手首を動かすと肘周辺が痛い。
このような症状でお困りではありませんか?
どこからどこまでが肘なのかと思われている方も多いようです。
一般的に肘というとボコッとでている骨(肘頭)の所を指すと思われがちですが、治療にするにあたり、特に定義はなく、上腕部(力こぶが出来る所)から前腕部までに症状がある方は、肘に関連していると思ってもらうと分かりやすいと思います。
なぜなら、その部分の筋肉で肘の曲げ伸ばし、内回し外回しが行われるからです。
肘が痛む場合、様々な病気が疑われます。また、肘を酷使する特定のスポーツを行っていることが原因で肘が痛む場合もあります。
肘の痛みだけではなく可動域の制限や筋力の低下などまでも起こると、生活に支障をきたす恐れがあるので、早めに診断を受けて治療を開始することが大切です。ここでは、肘が痛む場合に考えられる原因や症状、治療法などについて解説します
肘が痛む場合において、関節そのものの障害が原因であることはそれほど多くありません。肘の周りには多くの筋がついていたり神経が通っていたりするため、それらが刺激されて肘に疼くような痛みが現れることが多いのです。
肘の関節は、曲げたり伸ばしたりするだけではなく、内側や外側に回すといった特殊な動きも行うため、複雑な構造をしています。それだけ、様々な原因で障害されやすいのです。
テニスやゴルフを日常的にしている方は、肘に問題が起こりやすいといわれています。肘の外側に炎症が起きたり部分断裂が起きたりするものを「上腕骨外側上顆炎」といい、テニス肘と呼ばれています。
また、肘の内側に炎症が起きたり部分断裂が起きたりするものは、「上腕骨内側上顆炎」といい、こちらは別名を「野球肘」「ゴルフ肘」といいます。
最近では外側、内側の両方共を称してスマホ肘ということもあります。
テニスや野球、ゴルフをしている方によくみられるために、このような名称がつけられていますが、長時間のパソコンの使用や家事などによる肘関節の使いすぎでも起こることが多いのです。
これらの病気は、手首や指を伸ばすときに使う筋肉の腱と二の腕の骨との接続部に起こる慢性的な炎症です。肘関節の酷使によって起こる筋肉と腱の変性に加齢が重なることで発症しやすくなります。
肘に繋がっている筋は、手の関節にまで伸びており、筋肉の弾力が低下した状態で負荷がかかると、肘と筋の接続部に炎症が起こるのです。
野球をしている方に多い野球肘は、少年期から起こる可能性があります。成長期前半では肘の内側、成長期後半には肘の外側に問題が起こりやすいとされています。
小学生で起こる野球肘は、投球のときに関節の内側が限界を超えて引き伸ばされることによって起こります。こうして発症した野球肘は、投球を数週間制限することに加えて再発予防のためのリハビリを行うと完治する場合が多いのです。
成長期後半にあたる中高生になると、外側型の野球肘である肘側副靭帯損傷に加えて、肘の外側にある骨と骨が当たることによって起こる外側型の野球肘を合併する恐れがあります。治療をおこたると、離断性骨軟骨炎をきたし、手術療法が必須となる場合もあるため、肘の痛みを訴えた場合は早期に受診が必要です。
投球時には、肘の内側に牽引力、外側に圧迫力がかかるため、組織が損傷されます。組織の損傷がくり返されることで、組織の修復が追いつかなくなると、内側側副靱帯損傷や内側上顆の骨端炎が起こり、場合によっては疲労骨折が起こるのです。その結果、肘に痛みが現れます。